「おい、恋次。」
「んぁ?何か用かよルキア?」
「用が有るから呼び止めるのであろう。用が無かったら呼び止めなどせぬわ。」

堂々と腕を組みながら答えるルキア。

「・・・。てめぇ、それが副隊長にとる態度かよ。」

恋次の眉間に青筋が出来る。

「はんっ!副隊長とはそんなにも偉いモノなのか?」
「てめぇっ!!」

ますます恋次の眉間に青筋が出る。
しかし、ルキアは臆せず続ける。

「っと、貴様と言い合いをしに来たのではない。白哉兄様は居るか?」
「・・・。朽木隊長なら居るぜ。」

くいっと首で隊長室を指す。

「そうか、礼を言う。」

そう言ってルキアは恋次の前から消えた。

「珍しい事もあるもんだなぁ。ルキアが朽木隊長を訪ねに来るなんて・・・。」
ぼそりと呟いた恋次。
そして、自分も仕事へと戻った。












コンコン

「白哉兄様、ルキアです。」
「入れ。」

ルキアは隊長室の扉を静かに開けた。

「ルキア、此処は公共の場だ。今は隊長と呼びなさい。」

白哉は手元の書類に目を通しながら言った。

「すっスミマセン・・・。以後気をつけます・・・。」

小さくなるルキア。
ちらりと白哉はルキアを見る。

「そう小さくなるな。別に私は怒ってなどおらぬ。」
「・・・はぃ。」
「して、何用か?」

手にしていた書類を隅に置き、ルキアと向き合う。

「あ、はい。実はお姉さまの体調がすぐれなかった様で、今は四番隊にて休まれています。
 お姉さまはこの事を兄様に伝えなくても良いと申し上げたのですが・・・。」

最後の方をもごもごと詰まらせる。

「そうか・・・。知らせてくれた事を礼を言う。」

かたん、と白哉は椅子から立ち上がった。

「ルキア、が心配か?」

ルキアの前まで来て白哉は聞いた。

「はっはい!!もちろんです!!」

力強く答える。

「でわ、共にの見舞いにでも行くか?」
「えっ?!しかし・・・。」

少々戸惑うルキア。
もちろんの事は心配だ。
白哉と共に見舞いに行きたい。
だが・・・・。


「あの・・・。」
「隊の事など心配するな。地獄蝶で私から浮竹に伝えておく。」
「・・・。そうではなくて、私などが居てはお二人の邪魔になるのではないかかと・・・。」

白哉はルキアが言いたい事が理解出来たようだ。

「あぁ。そのような事、お前が気にすることではない。
 はお前の事を好いておるし、お前が来ればも喜ぶ。」

いつも無表情の白哉がうっすらと笑みを零す。
それだけでの事を思っていることが良く分かる。

「・・・。でわ、お言葉に甘えて・・・。」

遠慮がちにルキアは答えた。

「恋次。留守を任せたぞ。」

おもむろに白哉が言った事をルキアは理解出来なかったが、白哉が扉を開けた事によって理解出来た。
恋次が倒れる様にして入ってきたからだ。

「盗み聞きとは関心出来んが、まぁ良い。今日は見逃してやろう。行くぞルキア。」
「あっはい。」

恋次が床とくっ付いているのをルキアは横目でちらりと見て、白哉の後ろを小走りに着いて行った。

「・・・・。今日で良かったぁ・・・。」

二人が消えた後、恋次は又一人呟いた。





「恋次さん・・・・。」
物陰から一人、恋次を哀れむ様な眼で見ている少年が一人。
名を理吉。
恋次を尊敬する少年である。





















「ごめんなさい、浮竹さん。」
「何を謝る。が悪いわけではないだろう?」
「でも・・・・・・。」

ベットの上で俯くの頭を浮竹は優しく撫でた。

「浮竹・・・・さん?」

穏やかに笑う浮竹。
自然との顔にも笑みが零れる。
二人の間に穏やかな空気が流れる。


そよそよと窓から風が入って来てカーテンを揺らす。

二人は他愛も無い会話をしている。
隊について、普段の生活について・・・・・。

「にしても卯ノ花が作る薬は苦くて敵わんな。」

愚痴を零す。

「ふふっ。仕方がないものお薬ですから。」
「しかし・・・。俺は苦いより甘い方が飲みやすいんだか・・・・。」
「薬を飲まなければ病も良くはならぬぞ浮竹。」
「「えっ。」」

二人は入口の方に眼をやった。

「白哉・・・・か。」

密かに白哉の霊圧が高い。
しかもそれは自分に向けられている事ぐらい直ぐに分かった。
浮竹はバツが悪い様な顔をする。

「それじゃ、俺はこれにて失礼しようとするよ。」

よっこらしょっと、立ち上がる浮竹。

「浮竹・・・・隊長・・・。」

白哉の後ろからルキアが出てきた。

「おっ!ルキアもの見舞いか?」
「あ・・・はい・・・。」
「隊の事なら心配するな。ゆっくりの見舞いでもしていけ。」

と浮竹は言ったが、白哉の顔を見てそれは無理な話か・・・とルキアだけに聞こえる様に呟いた。

「じゃぁな。」

ぱたん。




、体調の具合はどうだ?」

すとんと浮竹が座っていた椅子に座る。

「何も変わらないわ。それに、少し気分が悪かっただけよ?」

意地悪そうには答えた。

「ルキアにも心配かけてしまったわね。ごめんなさいね。」
「とっとんでもない!!」

力いっぱい首を振るルキア。

「白哉も心配しすぎよ?このくらいいつもの事でしょう?」

ふいには白哉に視線を戻す。

「・・・・・・。私が心配しては迷惑か?」

心なしか白哉の顔が淋しそうに見える。

「別に迷惑とか思ってないわ。
 だけど、白哉は隊長よ?私なんかの為に大切な時間を潰して欲しくないのよ・・・。」
・・・。」

白哉はそっとの頬に手をやる。



「あの・・・私はそろそろ失礼します・・・。」
「えっ、ルキア?」
「うむ。」

ルキアはぺこりとお辞儀をして出て行った。
どうしても二人が出す雰囲気には馴染めない。





「ルキア・・・・。」
ルキアが去った扉を名残惜しそうな顔で見つめる

・・・。」
「何?妹に嫉妬?」

「・・・・。そうだ。」

白哉の返答には豆鉄砲を食らったような顔をした。

「ふふっ。今日はやけに素直なのね。熱でもあるのかしら?」

は茶化すように白哉の額に自分の手をやる。
「熱は・・・・無いわね。じゃ、今日は雪でも降るのかしら?」
ふぃっと開いている窓の外を見る。

「・・・。何とでも言え。」

子供の様にむくれる白哉。
ふいっと顔を背ける。

「冗談よ、白哉。」
窓の外から白哉に視線を変えた
そして、子供をあやすかの様には白哉の頭を撫でた。
そのまま白哉の頬に手を当てる。

「大丈夫よ、私はちゃんと此処に居るわ。」

の手の上から白哉は自分の手を載せる。

「あぁ、確かにお前は此処に居る。」

「ふふっ。ホントに今日の白哉は甘えんぼさんね。
 そんなに浮竹さんと話してたのが気に触ったのかしら?」
「当たり前だ。私以外の奴と楽しそうに喋っていたのだから・・・・。」

そう言うと白哉はの手を引き、の身体を自分の中に収めた。

「白哉・・・少し苦しいわ。」
「少し我慢しろ、それで浮竹の事は忘れてやる。」

ぎゅっと強く抱きしめる白哉。
も苦しいと言っているが、顔は幸せそうだ。



*我が子の様に愛しく


〜fin〜

あとがき
ラブラブで・・・・・