「あの・・・・。ごめんくださいぃ・・・・。」
「はい?・・・・何かご用ですか?」
*お互いを求めて*
「えっと、三番隊隊長・・・市丸ギン・・・・は、居ますか?」
「隊長かい?えっと、実はこっちも探してて・・・・・。」
「あ・・・・。そうですか。」
「ごめんね。ウチの隊長は根無し草だから、滅多に詰所に居ないんだ。」
「そう・・・ですか。」
「それじゃ、ボクは仕事があるんで・・・・。」
「あっ。待って・・・下さい。」
「ん?」
「こ・・・此処で・・・待って・・・・居ても・・・良いですか?」
「へっ?」
「♪〜♪。イヅル今頃何しとるやろ。」
ひょいひょいと屋根の上から上へと飛び移るのは三番隊市丸ギン。
今日も仕事をせず、その辺をふらりふらりしている。
「剣八ん所も行ってからかったし、午後は何しよっかな〜♪」
仕事をする気はサラサラないです。
それでも三番隊隊長。
「そろそろお腹も減ってきたし・・・・お昼でも・・・・。」
すとんと降りたのは“三”と大きく書かれた扉の前。
「イヅル・・・・・と誰か居るな・・・。」
がこん。
「!!隊長!何処ほっつき歩いてたんですか!?」
「わ〜。イヅルそない怒んなや。」
「っもう。隊長にお客さんが来てるんですよ。」
「客?」
「そうですよ。前もって来るなら来るって言ってくれないと困ります。」
腰に手を当てながら怒っているイヅル。
ギンはへらっと笑って、堪忍と言ってイヅルの前から消えた。
行き先は客間。
がらっ。
「あ、ギン・・・・。」
客間の扉を開けてみたら畳にちょこんと座った少女が一人。
ギンはおもむろに近づく。
「こらぁ!。何でこないな所居るんやぁ!」
少々怒り気味に言う。
「・・・・・。」
「隊長!!まだお話が終わってませんよ!」
慌ててギンの後を追ってきたイヅル。
ギンはイヅルに振り返ることなく少女に言う。
「イヅル。お説教は又今度や。今は・・・・、分かっとるやろな?」
ギンの霊圧が少し上がる。
「何が?」
さらりと流す。
そしてイヅルから出されたお茶をすすりながら横目でギンを見る。
「はぁ〜。なんべんも言わすなや。」
さっきまでの怒りは何所へやら。
ギンはがっくし肩を落し、その場に座り込む。
「うん、分かってる。家で大人しゅーしとけって言いたいんやろ?」
「・・・・・。分かってるんやったら何でこないな所まで来るんや?」
少女は湯飲みを御盆の上に乗せてギンに向き合う。
「愚問やな。兄に会いたいだけで此処に来たらアカンのかいな。」
「えっ!?兄!?」
少女の一言に驚くイヅル。
「あれ?イヅル、言ってなかったっけ?妹居るって。」
しれっと言うギン。
「そんな事一言もおっしゃってませんよ!」
ヒステリックに叫ぶイヅル。
ギンの口元がかすかに上がる。
「そやったっけなぁ〜?」
ニヤニヤ笑いながら言う。
それを見てギンの妹のは。
「ギン兄。あんまイヅルさんいじめちゃアカンよ。」
「そやかて、イヅルいじめるんおもろい・・・・。ん?、今イヅルの事呼び捨てにしたか?」
「・・・・・。さぁ?」
ふぃっとそっぽを向く。
「?」
ギンがに詰め寄る。
しかし、臆することなくは答える。
「・・・・。ええやん。ウチが誰をどんなふうに呼ぼうとギン兄には関係ないやろ。」
きっぱり自分の意見を言う。
「それよか、ギン兄。えらいみんなに迷惑かけとるみたいやん。」
きらりとの眼が光る。
「迷惑なんてかけとらんよ〜。」
少々不自然な動作をし始めたギン。
「イヅルさん。」
がギンの後ろに立ったままのイヅルに声をかける。
「あ、ハイ。なんですか?」
「ちょっとギン兄借りて良い?明日には返すから・・・・。」
「えっ?・・・・まぁ、別に・・・構いません・・・けど・・・・。」
少し悩んだ後、答えた。
どうせこのまま仕事をしないのなら、帰ってもらった方が良いかもしれないと判断。
居るだけ迷惑なギン。
「ごめんな。イヅルさん。」
礼儀正しくお辞儀をして、三番隊を出ていったギンと。
それを見送るイヅルは“今日も残業か・・・・”とブツブツ言いながら仕事に戻って行った。
「いつまで膨れとんのや。」
「膨れてなんかないもーん。」
「己は子供か。」
家に帰った二人は仲良く縁側に座って居る。
ギンがを包み込むようにしてべったりと離れない。
それに、ギンの顔はの首筋あたりに埋めており、表情は見えない。
「ええやないの、ウチあんま人と話す機会ないんやから・・・・。」
「そりゃーそうやけど・・・・・。」
「・・・・。心配か?ウチの身体。」
「当たり前や!この世でたった一人の妹やねんから・・・・。」
「妹・・・・だけ?」
「・・・・。それ以上や。」
ギンとは兄妹。外見はほぼ同じ。
白髪で短髪も瓜二つ。
ただ、の身体はギンと違って弱かった。
もし健康体ならば、同じ死神業が出来るほどの実力者だ。
「ギン兄。今日ウチ体調良かったんや。そやから早うギン兄に会いたくて・・・・。」
それに一人は寂しいんや、とは言った。
「ええよ、別にそんな事。気にしとらんよ。」
ギンは少し腕の力を強めた。
外は夕暮れになって来た。
の頬に触れると少し冷たくなっていた。
「家ん中に戻ろか。」
ギンがの顔が見えるように向いた。
「・・・・別に平気や。ギン兄に暖めてもらうから。」
二人は、おでこを引っ付けふふふっと笑う。
そしてちゅっと触れるだけのキスをする。
「ギン兄。今日は一緒に寝てくれる?」
がギンの首に腕を絡める。
「ちゃうやろ。今日もやろ?」
またふふふっと笑って、何度も何度もお互いの唇を求めた。
「そや、。今日体調良いんやったよな?」
「へっ?そっそやけど・・・・。」
にぃっとギンの口元が緩む。
「!アカンで!明日はちゃんとお仕事せなアカンのやから!!」
「明日ちゃんと仕事したら良えんやろ?任せときぃ。」
ひょいっとをお姫様抱っこして、部屋の奥へ入って行くギン。
「ちょっ、ギンに・・・・。」
自分の口での口を塞ぐギン。
「ふっ・・・・っはふ・・・・。」
時折の苦しそうな声が漏れる。
ちゅっと音を立てて唇を離すと銀色の糸がツゥっと光った。
「どや?」
満足げに笑うギン。
「あほぉ・・・・。」
耳まで真っ赤に染めたはギンの胸板に顔を埋めた。
次の日ギンはものすごいご機嫌で仕事をこなしたそうな・・・・・。
〜fin〜
あとがき
わー、兄妹だー。
友達に送った夢です。
こんなの友達に送るなんて・・・・・・。